名は体を表した。(ウィスキーの新時代Ⅴ)  vol.627

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9月からの 日照不足、 そして このところの 気温低下により、
ミントの成長が 著しく 鈍化しました。
昨年よりは 少し早いのですが、 ミント2016 終了 とさせていただきます。
また来年も よろしくお願い致します。

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樹の上の猫も 降りて そろそろ 暖かい場所を 探すのでしょう。
これから 寒くなるにつれ、 ウィスキー など ブラウンスピリッツに ぴったりの
季節と なります。
今の連載は、 新時代 と 銘打ってはいますが、 ただ単に 新しいというよりは、
ウィスキーの可能性が どんどん広がる という感じで 書いていますので、
ご紹介したものは ぜひ お試しください。
今までは アイラが強調されたものを ご紹介してきました。
味が 比較的分かりやすい という 理由からです。
今回は そこから外れて、 しかし クラシックに、 そういう ボトルの ご紹介です。

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ウシュクベ 15年 ピュアモルト ¥1,500

聞きなれない名前なのは ゲール語由来 だから なのですが、
こちらは ウィスキーの 語源となった言葉 と 言われています。
そんな 大層な言葉を 冠していたからかなのか、 以前は 陶器のボトルで
とても高価な ブレンデッドウィスキー が 有名です。
現在 大統領選挙が佳境の アメリカですが、 さかのぼる事 1969年の
リチャード・ニクソン氏 の 大統領就任式の パーティで 公式スコッチに
選ばれていることから、 昔から 定評のある スコッチメーカーなのは
間違いありません。
ウシュクベ は 「 生命の水 」 の 意
とても寒い日など、 高アルコールの 飲み物を飲む事で、 体の中から 暖まる、
これはまさに、  「生き返る 」 感覚です。
そのため、 高アルコールの いわゆる スピリッツ を 「 生命の水 」 と呼ぶのは
複数あります ( ウオッカ や アクアヴィット など )。
スコットランド の ゲール語では それが ウシュクベ ( Usquaebach ) です。
ただ、 呼び方は ゲール語の中でも 複数あり、 ウスケボー ( Usquebaugh ) なども
あります。 むしろ、 ウスケボー の 方が 公式的には 正しいでしょう。
しかし、 ウシュクベ という言葉を 採用したのは、 日本では 「 蛍の光 」 の 作者として
有名な スコットランド詩人 の ロバート・バーンズ の 詩に 使われているからでしょう。
やっと モルトに
正直なところ、 このような 大もとの名前をつける と いうこと自体、 私はあまり
好ましくは 思っていませんでした。
そもそも 「 水 」 だから 色は 付けないだろうし、 実際 ウシュクベ と 呼んでた頃は
樽熟成は あまりしていなかったのだから と 思ってしまうのです。
譲って 樽熟成しているのを OK と しても、 「 ウィスキー 」 となった後に 出てきた
グレーンウィスキー を 少しでも使用しているのは どうなのか と 思います。
それで 買わずにいたのですが、 そうしたら ピュアモルト ( ブレンデッドモルト ) で、
しかも ヨーロピアンオークシェリー樽熟成 と、 とても クラシカルな 構成のボトル を
出してきました。
 
やっと、 やっと 名は体を表したんですね と 嬉しくなり、 早速購入した次第です。
実際、 1876年に この 「 ウシュクベ 」 を 商標登録した時は、 ブレンデッドモルト
だったそうで、 このボトルは 原点回帰 なのかもしれないな と 思います。
結構 樽からのスパイシーさ と タンニンのような 渋みが じわじわと 長く 続きます。
甘さが 少ないのですけど、 むしろ 少なくていいと 思えるほど、 気持ちいいです。
マッカランのようなスタイルとは また違う、 シェリー樽 の 素晴らしさだと 思います。
ブレンデッドウィスキーメーカーの強みは 名の通り、 「 ブレンド 」 です。
  
その 卓越した技を 活かしたモルト を ぜひ 味わってください。