ラスティネイル     Vol.116


 


 「 GC 」  writes.


 


またまた 前回 の続きです。 



と、いっても今回は カクテル です。


スコッチウィスキー は最近、シングルモルト の 需要が増え、


ウチの バックバー に並ぶお酒の数では 圧倒的な比率 になっています。



人気になる理由として、ボトルによっての 味の幅が広い ということが


あげられると思います。


 


それぞれの 個性 が、他のお酒 ( バーボン や ブランデー ) と比べて


分かりやすい ですし、お客様も その違いを楽しまれている ので、


必然的に 数が増えます。



もともとは ブレンデッド に供給するだけのモルトであった銘柄 までもが


最近では シングルモルト として出回る ようになりましたし、値段のほうも


以前よりはずっと お安くなったのもあります。



そこで、僕は スコッチウィスキーベース のカクテル には シングルモルト を


使う方がいいのではないか と思ったわけです。



こんな事を書くと もったいない とか、そのまま飲め とか言われるかも


知れませんが、シングルモルトは  もともと混ぜられる事を承知  で


造っているウィスキー ですから、ブレンデッドよりはカクテル向き だと


考えても良いと思っています。。


 


しかも、味がいろいろあるので、一つのカクテルでも モルト によって


全然違うカクテルになります。



今回はその中でも ハマッた と思うカクテルをご紹介します。


 


 


            ラスティ・ネイル       ¥1,000



スコッチ・ウィスキー と ドランブイ を 


氷の入った オールド・ファッションドグラス ( ロック・グラス ) 


に 注いで軽く混ぜる だけの 簡単カクテル です。



ドランブイ は 40種ほどのスコッチウィスキーをベース に、各種ハーブや


ヒース ( スコットランドの草原にある花々の総称 ) のエキス、


ヒース の 花から採られたハチミツ、水、砂糖で出来ているリキュールです。


 



このお酒は スチュアート家 という、由緒正しい王家の 秘蔵のお酒 でした。


 


18世紀に スチュアート家の チャールズ・エドワード王子 が
                       ( 愛称 ボニー・プリンス・チャーリー ) 


王位継承戦争 を起こします。


 


チャールズ王子軍 は スコットランドから南下し、


ロンドン北方 200キロのダービーの地にまで進軍しますが、


そこから劣勢になり、1746年 カローデンムーア にて、


当時の王、ジョージ2世軍 に大敗し、無一文で


フランス に 逃げなければいけなくなりました。


 


ジョージ2世 は チャールズ王子の首に 賞金を懸け、


追っ手を差し向けますが そんな 絶体絶命の王子をかくまって、


フランスに亡命させた のが、スカイ島 の 豪族マッキノン家 でした。


 


チャールズ王子 は 感謝の印 としてこの ドランブイの製法 を


マッキノン家 に贈ったそうです。



ドランブイ は このカクテル以外 スタンダードで使われる事は

あまりありません。


 


しかし、このようなエピソードがあるのなら、スコッチウィスキーも


縁のあるお酒 を使いたいと思います。


マッキノン家 は スカイ島の豪族 なので、使うお酒は スカイ島のモルト


「 タリスカー 」 です。


 


しっかりとしたスモーキーさ と 厚みのある ( 重い ) ボディで


人気のモルトです。


 


ドランブイ も かなり濃い風味 を持っていますので、タリスカー くらい


パワフルなお酒 のほうが 相性がいい のではないかと思います。



ラスティネイル・・・日本語にすると 「 錆びた釘 」 です。


失意のうちに亡命する チャールズ王子 の イメージに重なりますが、


カクテル自体は 非常に力強いカクテル です。


見た目は錆びてますが、 磨けば光る鋭い釘  になる。


そんな 強い意志があるカクテル ではないかと思います。