ウォッカの場合    Vol.89



「 GC 」  writes.


 


寒いですね  ・・・   寒いと言えば  ロシアですね   ・・・



ロシア  と言えば  ウォッカ  です。


                ( う~~む、我ながら強引だなぁ )


 


 


現在 KITTY’S にある ウォッカのラインナップ  です。


 



バーテンダーになってから 思ったことのひとつ に、


「 ウォッカベースの ショートカクテル は人気がない 」  という事があります。


 


実際、僕がお薦めしているのもありますが、


モスコミュール や ブラッディマリー ( 生トマト使用のものです )、


スクリュードライバー など、ほとんどが ロングカクテル です。


カクテルブックでも カクテルの人気ランキング などが載っていたりしますが、


ウォッカベースのショートカクテル は  バラライカ ぐらいしかありません。



一応、4大スピリッツとして、


ジン、ウォッカ、ラム、テキーラとありますが、


ジンはマティーニ


ラムはダイキリ


テキーラはマルガリータ


などというように、必ず 代表と呼べるショートカクテル があります。


 


 


バラライカ に関しては ホワイトレディ ( ジン )、XYZ ( ラム )


と ベースが違うだけ の バリエーションカクテル という感覚が強く、


ホワイトレディ や XYZ のほうが ( 個人的に ) 人気がある中で、


バラライカ が ウォッカベースの代表 とまでは   あまり強くいえない感じがします。



このような状況になっているのは、ウォッカの特徴である、


「 無味無臭 (1) 」、「 アルコール度数が強いというイメージ (2) 」


が原因だと思います。


 



まず、(1) についてですが、


ウォッカは蒸留したアルコールを 白樺から出来る活性炭でろ過をして、


風味、雑味を 極限まで無くしたアルコールと水のみ 


で出来ているお酒だということです。


味については エチルアルコールの質 と 水の質 で全てが決まります。


香りは ほとんどアルコールの香り です。



ショートカクテル はほとんどの場合、ベースとなるお酒の分量が


一番多いですから、どうしても アルコールの香りや味 が目立ち、


「 強いぞ、気をつけよう 」 という心理になり、


楽しく飲めないのではないかなと 思います。


 


あと、これは 僕個人が思っていること ですが、  たぶんアルコールには 苦味 があり、


味のないウォッカでは   もろにその 苦味が表に出てくる ことがあります。


特に 甘めのショートカクテルには多い ことです。



僕としては ウォッカは一番難しいスピリッツ だと思います。


だから、頼まれた時は一番神経を使います。


( かといって頼まれる事は嬉しい事なので ご遠慮なくどうぞ )


 



多分、どのスピリッツよりも 腕が試されるのではないかな と思います。


( この業界ではジンベースを基準に試される方が多いようですが )


 


 


最近は原料など 使うもの全てを厳選した 「 プレミアムウォッカ 」 が


出回るようになり、ウチでも何種類か使っています。


とてもいい品質のものばかりで僕もとても重宝しています。


 


(2)に関しては かなり誤解が多い と思います。


アルコール度数90オーバーのウォッカ が一部あるので、 そのようなイメージを


持たれるかもしれませんが、 それ自体が とても特殊 なもので、


大体は 40度位、たまに 50度位のものがあるくらいです。


ジンは ウチでは 40度 のものはほとんどなく、47度位からですが、


プリマスジン ( ギブソン等に使います ) にいたっては 57度 です。


ラムにいたっては 75.5度 のものがカ クテルの材料として 指定 されたりしてますから、


こちらの方が やたらめったら強い といえます。


 



他のスピリッツには 「 個性 」 があります。  「 味 」 「 香り 」 という個性です。しかし、


ウォッカはその 「 個性 」 を消したことが 「 個性 」 になります。



ロシアでは 冬場、車の窓拭きにウォッカを使用したりする そうですから、


( 水だと凍ってしまう からだそうです )


余計な味やら香りはついていないほうがいい というのも分かります。


僕らとは ウォッカとの距離感 が全然違うのでしょう。


 


そんなわけで ショートカクテルではあまり人気のないウォッカ ですが、


おススメとしては バラライカ、ウォッカギムレット、 


ウォッカマティーニ ( 通称 ボンドマティーニ ) などがあります。


他のスピリッツよりも プレーンな味 をお求めになる場合は


ウォッカは とてもいいベース になると思います。


あと、万人向けではないですが、八角 を使ったマティーニは 八角 が


お好きな方には堪らないでしょう。


 


逆に ロングカクテル では ウォッカは大人気 です。


理由としては ジュース などの 副材料の方が  ベースよりはるかに量が多い ので、


アルコール感が分からなくなり、飲み易い という事があげられます。



アルコールは飲んだ時に ふわっと膨らむ 感覚があるので、


ジュースを飲むより、ボリューム感も出ます。



このブログでも 以前、モスコミュール を取り上げましたし、


他にもおススメはあります。


 



 


ソルティドッグ                  ¥1,000



お酒をお飲みになったことがある方なら 大体の方はご存知 の 有名なカクテル です。


もともとは ジンベース の ショートカクテル で、 ジン と グレープフルーツジュース、塩 を 


シェイクして出されていたそうです。


この 英国式クラシックソルティドッグ もウチでは出しています。


 



このカクテルが アメリカに渡り、ジン が ウォッカ になり、


カクテルグラス から ロックグラス になり、シェイク から グラスで直接作る


( ビルドといいます ) ようになり、塩 を グラスの縁につける ようになって、


現在の形になった らしいです。


 



かなり 作り方が簡素化された感じ がします。なんとなく合理化が


好きな アメリカらしい変化のしかた だなぁと思います。


ただ、このおかげで誰が作ってもおいしいカクテルになり、


普及していったのではないでしょうか。


 


どこでも出されているカクテル なので差をつけるのは難しいのですが、


フレッシュグレープフルーツ はもちろん、  に気をつけています。


アンデス産の岩塩 を おろし金でおろして パウダー塩 にします。


こうすることによって、鋭い塩の塩味を和らげ、岩塩の持っている


甘味や旨味を引き出すことが出来ます。


 


もう 2,3年ほど前 からやっていますが


お客様の反応はとてもいい ので、まだ試されていない方はぜひ  お試し下さい。



クラシックのソルティドッグ と飲み比べても面白いと思います。


 


 



 


ミカンのスクリュードライバー           ¥1,200



スクリュードライバー は ウォッカ と オレンジジュース だけの


シンプルなカクテル です。


最近はとても 質のいいミカン が多いので作ってみました。


オレンジ よりは 甘味やコク が強く、飲み応えがありますが、


甘味が多い分、アルコール感がほとんどありません。


「 ねじまわし 」  がこのカクテルの日本語訳 ですが


ミカンは日本で親しまれているので、名前をつけるとすると


何がよろしいですかね? 


日本人のDNAレベル で  ほっとする味  だと思います。


 



寒い時は お腹の中から暖まる  強めのお酒 はいいと思います。


これからの季節 少し強めのお酒  にもチャレンジされるのは


いかがでしょうか。


 


 追伸


GC の長々とした記事を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。


                                by KITTY-Mにゃん