
「 GC 」 writes.
今回は、とても嬉しいニュースです。
もう海外では発売されている 『 ウィスキー・マガジン 』 最新版で、
日本のウィスキー特集をしているそうです。
『 ウィスキー・マガジン 』 は ニッカ の時にも少し紹介しましたが、
一番有名な ウィスキー専門誌 で、世界中で読まれています。
とうとう 日本のウィスキー も世界で注目されるようになってきたようです。
その中で、テイスティング ( 味見 ) のページがあるのですが、26種類の
日本のウィスキーが点数付きで紹介されているそうです。
一番評価の高いものが ゴールド、ある点数以上のものを シルバーとしていますが、
今回の ゴールド は、イチローズモルトのカードシリーズ、ダイヤのキングでした。
聞きなれないウィスキーだと思われる方も多いと思います。
イチローズモルトは、埼玉県羽生市 で造られたウィスキーで、日本では
珍しい小規模蒸留所で、つい最近まで 「 秩父 」 と冠されて発売されていました。
しかし、オーナーが代わり、蒸留設備や原酒を廃棄されるという事態に陥ります。
この緊急事態に東北の造り酒屋である、「 笹の川酒造 」 が原酒や設備を
引き取る事になり、現在も大事に保管しています。
この原酒は、羽生蒸留所を立ち上げた肥土 ( あくと ) 氏の孫である、
肥土伊知郎氏がブレンド ( 混ぜる ) したり、樽を変えて再熟成させたりして
2004年4月からイチローズモルトとして様々な個性のウィスキーを
発売しています。
今回はこのイチローズモルトシリーズを紹介します。

イチローズモルト 1988 ( 左 ) ¥1,800
〃 シングルカスク 2000 ( 中 ) ¥1,000
スケアクロウ(SCARECROW) ( 右 ) ¥1,000
( 左 ) 1988は以前にメルマガのほうで紹介していましたが、
こちらも 『 ウィスキー・マガジン 』 最新版で シルバーメダル受賞 です。
イチローズモルトの記念すべきファーストエディションで、
羽生蒸留所の力強さがよく分かります。
( 中 ) シングルカスク 2000は出来てからまだ5年ほどのウィスキーです。
新樽にグレーンウィスキー ( 穀物で作ったウィスキー ) を
7年ほど詰めた後にこのウィスキーを詰めて熟成させました。
樽の風味がとてもよく分かります。
このウィスキーが羽生蒸留所で 最後に蒸留されたモルト だとの事です。
( 右 ) スケアクロウは見た目は真っ黒でびっくりしますが、
とても飲みやすいウィスキーです。
アライドグループ ( いろんな蒸留所を傘下に収めている大会社 ) の
原酒を使っています。
スケアクロウとは 、案山子、その名の通り カラス脅し? の意味でしょうか。

イチローズモルト CARDシリーズ
スペード・エース ( 右 ) ¥2,000
ダイヤ・キング ( 中右 ) ¥1,800
ハート・クイーン ( 中左 ) ¥1,400
クラブ・ジャック ( 左 ) ¥1,300
それぞれ最後に個性のある樽に移し変えて再熟成し、トランプの絵札という
面白いラベルでボトリングしています。
( 右 ) スペード・エースはシェリーバットで再熟成。
樽材はスパニッシュオーク。
20年ほどのウィスキーにシェリー由来の甘みや華やかさがのって、
満足いく仕上がりです。
( 中右 ) ダイヤ・キングもシェリーバットですが、こちらはアメリカンオーク。
『 ウィスキー・マガジン 』 最新版でゴールドメダル受賞の品です。
モルトの力強さとシェリーの華やかさのバランスが絶妙です。
( 中左 ) ハート・クイーンはコニャックカスク。コニャックとはブランデーの
最高級品が造られる地方の名前の事で、スパークリングワインの
シャンパンと同じ意味です。
ブランデー樽だからイメージとしてはハートでクイーンなんでしょうね。
水を少し加えるととても複雑な味わいになります。
( 左 ) クラブ・ジャックはダイヤ・キングと同じシェリーバットのアメリカンオーク。
ダイヤ・キングと飲み比べすると分かりやすいのではないでしょうか。
イチローズモルト 15年 ( 左 ) ¥1,200
20年 ( 右 ) ¥1,700
一番最近に入荷したボトルです。
この2本は度数も46°と樽出しではなく、ヴィンテージ表示ではなく
熟成年数表記でのリリースです。
どちらも、羽生蒸留所の原酒を少量ずついろいろな樽から
払い出してバッティング ( 混ぜる事です ) し、それぞれ個性の違う樽で
後熟して、300本ずつボトリングしたものです。
( 左 ) 15年はコニャック ( 仏のブランデー ) 樽で後熟。
オーク樽の柔らかい苦味と原酒の甘み、少し刺激的な
胡椒のようなスパイシーさが一緒になって感じられます。
花のような香りはブランデー由来かもしれません。
ハート・クイーンと飲み比べしてみてはいかがでしょうか。
( 右 ) 20年はシェリー樽で後熟。 正統派です。
コクが深くて、しつこくない甘さがゆっくりと広がります。
口の中で広がる味がそのまま余韻となって、喉の奥にゆっくりと
しかししっかりと長く続きます。
アルコールの刺激の少ない甘い香りも素晴らしいです。
伊知郎氏はまた、(有)ベンチャーウイスキーを設立して、
埼玉県で新しい蒸留所を建設する準備に入っており、今年中には
新しいウィスキーが造れるようになるだろうとおっしゃっています。
その新しいウィスキーが KITTY’S に並ぶのはまだまだ先のことに
なるでしょうけど、ゆっくり待っていたい と思っています。

